INCIDENT / 2026-10-02
大阪公立大学 情報基盤システムのランサムウェア被害と委託先経由の不正アクセス
大阪公立大学の情報基盤システムが停止し、全授業を約1週間休講。保守委託先NECの再委託先が持つ正規アカウントで不正アクセスされたことが原因と報告された。
基本情報
概要
2026年10月2日未明に情報基盤システムの障害が発生し、学内ネットワーク・メール・各種業務システムが停止した。大学は仮想化基盤の障害をランサムウェア攻撃によるものと判断し、全授業を休講とした。10月21日の第5報で、委託先経由の侵入と、委託先が利用していたクラウドストレージからの情報漏洩が報告された。
経緯
原因
一部確認委託先・外部サービスの侵害正規アカウントの悪用
大学の基盤システム保守・運用の委託先であるNECから、NECの再委託先事業者が2026年9月下旬にサイバー攻撃を受け、その再委託先が持つ正規のアカウントで大学のシステムに不正アクセスされたとの報告を受けた(第5報)。再委託先が攻撃を受けた経緯の詳細は公表されていない。
攻撃手法
- サプライチェーン攻撃 (Supply Chain Attack) T1195T1199
- 正規アカウントの悪用 (Valid Accounts) T1078
- ランサムウェア (Ransomware) T1486T1490
影響範囲
一部確認
漏洩した情報
- 確認済みNECが利用していたクラウドストレージ内の大学関連の個人情報・システム関連情報
- 可能性あり仮想化基盤内の教務システム関連情報(約13万件)
委託先のクラウドストレージからの漏洩は確認済みだが、内容・件数はNECに確認中。大学の仮想化基盤内の情報(教務システム関連 約13万件など)の漏洩有無は調査継続中。
対応
全授業を休講とし、システムの復旧と原因調査を進めた。対面授業は10月9日に再開。
- 全授業の休講(10月2日〜8日)
- メール送受信の段階的再開
- 委託先(NEC)と連携した影響範囲の調査
技術的解説
侵入に使われたのは保守用の正規アカウントであり、認証自体は「成功」している。このため認証失敗の監視だけでは検知が難しい。委託先・再委託先が保有する保守アカウントは、発注側から利用状況が見えにくく、委託先の侵害がそのまま発注者システムへの侵入経路になる。
教訓・対策
- 委託先・再委託先が保有する保守アカウントを台帳化し、利用時のみ有効化する(JIT アクセス)
- 保守経路に多要素認証と接続元制限を適用する
- 保守アカウントのログインを通常時間帯・接続元と比較して監視する
- 委託契約に再委託先のセキュリティ要件とインシデント時の報告義務を明記する
参考資料
- 本学情報基盤システムにおける障害の発生について【第5報】委託先公表のサイバー攻撃事案に伴うシステム障害・情報漏洩について大阪公立大学公開日: 2026-10-21公式発表一次情報取得日: 2026-10-31
- 大阪公立大学のシステム障害に関するNECの公表(2026年10月20日)日本電気株式会社公開日: 2026-10-20公式発表一次情報取得日: 2026-10-31
- 大阪公立大学 ランサムウェア事案の経緯・原因・対応株式会社ウェステリア公開日: 不明技術レポート二次情報取得日: 2026-10-31
関連情報
関連するCVE
関連付けられたCVEはありません。
関連組織
関連するインシデント
関連付けられたインシデントはありません。